教育分会機関紙「海鳴」が発行されました。
教育分会より No.242 の提供がありました(下記ナンバーをクリックでPDFをダウンロードできます)。

新潟大学厚生センター内
回答日: 2025年8月21日
| 質問 | 小野寺理候補者 | 川端和重候補者 | 染矢俊幸候補者 |
|---|---|---|---|
| 問1 教員一人当たりの基盤的研究費について、最低保障額(例:年額30万円)を設定することは | 必要である | 必要である | 必要である |
| 問2 教員の研究時間確保のため、会議・委員会等の管理業務を現状から | 削減すべき | 削減すべき | 削減すべき |
| 問3 学術分野間の予算配分において、文理を問わず基礎研究への支援は | 強化すべき | 強化すべき | 強化すべき |
| 質問 | 小野寺理候補者 | 川端和重候補者 | 染矢俊幸候補者 |
|---|---|---|---|
| 問4 教授会の議決や意見は、学部・研究科運営において | 最大限尊重する | 最大限尊重する | 最大限尊重する |
| 問5 学長選考過程において、教職員による意向投票の結果は | 重要な判断材料とすべき | 学長選考監察会議が決めることです | 重要な判断材料とすべき |
| 質問 | 小野寺理候補者 | 川端和重候補者 | 染矢俊幸候補者 |
|---|---|---|---|
| 問6 現行の教員ポイント制は | 見直しが必要 | 現行制度を継続 | 見直しが必要 |
| 問7 若手教員の無期雇用への転換機会は | 拡大すべき | 拡大すべき | 拡大すべき |
| 質問 | 小野寺理候補者 | 川端和重候補者 | 染矢俊幸候補者 |
|---|---|---|---|
| 問8 クオーター制は教育効果と教員負担の観点から | 見直しが必要 | 見直しが必要 | 見直しが必要 |
| 問9 学生への経済的支援(授業料減免・奨学金等)は現状から | 拡充すべき | 拡充すべき | 拡充すべき |
| 問10 授業料値上げについては | やむを得ない場合がある | 国が決めることです | 回避すべき |
| 質問 | 小野寺理候補者 | 川端和重候補者 | 染矢俊幸候補者 |
|---|---|---|---|
| 問11 附属病院医師の診療負担は現状から | 軽減すべき | 軽減すべき | 軽減すべき |
| 問12 地域医療への貢献と病院経営のバランスにおいて | 地域医療を優先すべき | 地域医療を優先すべき | 地域医療を優先すべき |
| 質問 | 小野寺理候補者 | 川端和重候補者 | 染矢俊幸候補者 |
|---|---|---|---|
| 問13 大学運営に関する情報公開請求には | 積極的に応じる | 法定範囲内で対応する | 積極的に応じる |
| 問14 重要な意思決定に関する会議議事録は | 原則公開すべき | 必要で最小限の公開でよい | 原則公開すべき |
現執行部のDX推進、J-PEAKS採択等の改革努力は高く評価します。一方で、研究力の相対的急落、運営費交付金削減による財政基盤の脆弱化、教職員の疲弊、大学院充足率低下、医歯学総合病院の疲弊という構造的課題も看過できません。
学長就任時は「地域課題の世界モデル化を通じた社会変革拠点大学」を目指し、「対話による共創」「人を最優先とする組織運営」「既存の強みを活かした戦略的発展」の三つの基本方針を掲げます。J-PEAKSについては構成員との対話を徹底し、将来像を共有しながら資源配分を透明化します。新潟大学基金の段階的拡充、病院の自律的経営基盤強化、人事制度の段階的再検討、DX推進を通じて、全教職員が誇りを持って働ける環境を築き、持続可能な発展を目指します。
現執行部は「第4期中期目標・中期計画」および「将来ビジョン2030」に基づき、教育研究・地域連携・国際化で成果を上げ、基盤強化に寄与しました。教育改革ではメジャー・マイナー制導入や大学院再編、研究力強化ではJ-PEAKS採択や共創IP、国際化ではグローバル推進機構設置などが挙げられます。これらの成果は継承し、さらに発展させます。
一方で、研究力の低下は大学の信頼と持続可能性に直結する大きな課題です。また、人事ポイントの凍結により現場の負担が増大し、公正性への疑念やコンプライアンス上の不安も拡大しました。
私は現場との対話を重視し、課題を丁寧に共有しながら、社会の変化に対応できる公平でわかりやすい人事制度への見直しを進めます。研究資源の戦略的配分と基盤整備を強化し、DX推進によって業務を効率化して教育研究に専念できる時間を確保します。教育研究と社会貢献を有機的に結びつけ、現場の努力が正当に評価される環境を整え、誇りと活力に満ちた大学へと発展させます。
人文・社会科学から自然科学、医学まで全学術分野の均等発展は、総合大学としての使命です。多様な学問分野の集結により「総合知」を創出し、社会変革をリードすることが本学の最大のポテンシャルです。
外部資金獲得が困難な基礎研究分野は、新潟県・市と「新潟創生行動計画2035(仮称)」を共同策定し、地域からの支援体制を確立します。人文・社会科学分野では、地域産業界とのオーダーメイド型共同教育講座や社会人再教育プログラムを拡充し、新たな収益モデルを構築します。AI時代に重要となる人文社会科学の知見を、ELSIセンターとの連携を通じて企業の技術ガバナンスに活用し、新たな産学連携モデルを創出します。学術分野の特性に応じた公平な評価基準を設定し、外部資金だけでなく地域貢献や教育への貢献も正当に評価することで、全分野の自立的・持続的発展を実現します。
国立大学の使命の一つとして、多様な学問の発展があり、予測不能な変化が起こる未来社会において、必要となる新しい科学技術・学術や医療等、さらにはそのような社会を担い活躍する人材の育成が可能となります。同時に直近の将来のためにやらねばならない学問や大学としての役割もあります。これらを両輪で進めることが使命と考えています。
このように学問の発展には、ステージや領域によって必要な時間、資金、関係する専門人材群が異なります。よって、すべての学術分野の発展を一大学で担担って、均等に発展させることは不可能です。日本全体で俯瞰して(必要に応じて世界を俯瞰して)、また協力し合って進めることが必須です。
研究者や職員が必要な外部資金は、活動内容によって10万円かもしれませんし、10億円かもしれません。研究者は、プロフェッショナルです。すなわち、自らの研究や活動のために必要な資金を調達することも仕事の一部です。外部資金は多様です。あらゆる手を尽くしてやりたいことをやるのがプロだと思います。自ら目標を実現させるために汗を流す方々には、大学は支援を惜しみません。
総合大学として均等な発展を実現するには、分野の特性を踏まえた戦略的かつ公平な支援が不可欠です。社会的意義は大きくても外部資金を得にくい分野についても、その固有の研究形態と価値を尊重し、学内の資源配分や制度設計に適切に反映します。こうした取組により、多様な学術分野が互いに補い合い、大学全体の厚みを形作ります。
基礎研究分野は成果が見えるまでに時間を要し、既存の外部資金制度では十分に支えきれない面があります。そのため大学基金や学内予算を組み合わせ、外部資金の有無に左右されにくい仕組みを整えます。資料購入や研究継続費、若手研究者の立ち上げ支援、共通機器の計画的整備など、現場の声を踏まえた支援を進めます。
人事では、学部からの提案を本部で全学的に調整し、分野横断的で偏りのない採用を進めます。さらに、若手・女性・外国人研究者にも活躍の場を広げ、多様性を尊重する大学づくりを進めます。研究基盤の整備にあたっても幅広い意見を聞きながら進め、基礎と応用が支え合う「知の循環」を育みます。
限られた資源の配分には課題が伴いますが、多様な声に耳を傾け、透明性を持って調整し、全体最適を図ります。「まず人」「全学で未来へ」の理念を大切に、信頼される大学を目指します。
教職員の多忙化は喫緊の課題であり、まず基本的な職員確保が最優先です。R9年度まで職員の欠員補充が凍結され、中堅・若手層の離脱が懸念される現状は、構成員の健康と雇用の安定こそが優れた研究・教育の基盤という私の認識と矛盾します。
人事制度の段階的再検討を行い、退職教職員の補充を計画的に進め、人件費確保のための予算見直しやポイント制の柔軟な運用を検討します。医歯学総合病院については病院独自の裁量と人事制度の確立を支援し、医療職の慢性的な人手不足解消を図ります。
並行して会議・業務の見直しとDX化を推進し、既存職員の負担軽減と研究・教育への専念時間を確保します。事務・技術職員を大学戦略を共に推進する「パートナー」として位置付け、専門性が昇進・昇給に反映される人事評価制度を段階的に導入し、全構成員が能力を最大限発揮できる環境を整備します。
教職員の多忙化は、新潟大学においても教育研究の質を損ない、心身の健康やワークライフバランスを脅かす重大な課題です。心身の健康に関する専門家として、この状況が教職員の精神的疲弊や離職リスクの高まりに直結しかねないことを強く憂慮しています。背景には、会議・委員会等の管理業務の増大、事務手続きの非効率性、人的資源不足などがあり、現場の負担感と疲弊感を高めています。
私はまず、業務全体を棚卸しし、必要性・効果・代替可能性を精査した上で、削減・簡素化を進めます。DX推進により、書類業務や情報共有、申請・承認プロセスを電子化・一元化し、事務作業時間を削減します。適正な人員配置を行い、事務職員の専門性を高めることで、教員の事務負担を軽減します。また、タスクシェアリングによる業務分担を進めます。さらに、業務改善の提案を受け止める常設窓口を設け、現場発の効率化を促進します。
こうした取り組みにより、教職員が安心して教育研究に専念でき、その成果を最大限に発揮できる環境を実現します。
「人を最優先とする組織運営」の理念に基づき、学生が経済的理由で学業を断念することがないよう、授業料値上げは可能な限り回避すべきと考えます。
運営費交付金の継続的削減など厳しい財政状況において、教育研究の質を維持するためやむを得ない場合も、まず新潟大学基金の拡充、県内企業・卒業生ネットワークとの連携、企業版ふるさと納税活用など、あらゆる財源確保策を尽くします。値上げ検討時は学生・保護者への十分な説明と教育の質向上を約束します。
経済的困難を抱える学生への支援は最優先で拡充します。授業料減免制度の維持・拡充に加え、地域独自の給付型奨学金制度創設を目指します。博士課程学生には「修士・博士一貫コース」導入による在学期間短縮で負担軽減し、産業界との連携による「博士人材キャリアパス保証制度」を確立します。
国立大学の授業料は、経費の積み上げで決まっているものではなく国策でこの金額になっています。ご存じのように、欧米などの有名大学の授業料は、1000万円/年にも及んでいる国もあれば、すべて国費でという国もあります。そのような中での日本の授業料です。よって、10%の値上げも含め授業料の変更は国策として行うべきです。
経済的苦境の学生がいることは確かです。国等の多様な支援策もあります。これらを活用しないで、親の仕送りとバイト料でくらす学生も多く存在します。他方、高校を卒業して働いて自分の生活費や活動費、さらには家庭をもって子供を担っている若者もたくさんいます。彼ら彼女たちは所得税を納めています。私は大学生を彼ら彼女たちと同じ社会人の一員として年齢相応に扱うべきと考えています。どれくらいどのように経済的に苦境な学生が存在して大学として支援をしなければならないかを、「かわいそう」というような単純な同情ではなく、進めるのであれば具体的に今一度なぜ支援をするのかに立ち戻って考えるべきだと思っています。そのうえで、必要な財源を確保するためにあらゆる手を尽くして動きたいと思ます。
授業料値上げは、学生の学びの機会を経済的理由で制限し、多様な人材育成を阻害するおそれがあるため、可能な限り回避すべきと考えます。大学の財政基盤強化は授業料収入に依存せず、外部資金の獲得、大学基金の活用、産学官連携や国際助成の拡大など、多様な財源確保によって実現します。
経済的困難を抱える学生への支援として、授業料減免や返済不要の奨学金枠を拡充します。また、家計急変時の緊急支援制度を機動的に運用します。
さらに、キャンパス内アルバイトやリサーチアシスタント制度を整備し、学びに直結する形で収入を得られる機会を提供します。生活支援やメンタルケアを含む包括的な学生支援体制を整え、学生が安心して学業に専念できる環境を築きます。
こうした施策により、経済状況に左右されず、意欲と才能を持つすべての学生が未来に向かって学び続けられる大学を実現します。
日本人学生、留学生、社会人学生など、全ての学生が安心して学べる環境づくりは「地域課題の世界モデル化を通じた社会変革拠点大学」として不可欠な使命です。
留学生には英語学位プログラム拡充、海外大学とのダブルディグリー制度、学業・生活・就職の一体支援を担う「留学生支援オフィス」設置を進めます。進行中の学生寮建設計画の実現に敬意を表しつつ、持続可能な運営を目指します。環日本海地域の特性を活かした地域産業界との連携を深め、国内就職希望者への実践的支援を強化します。
社会人学生には地域産業界とのオーダーメイド型共同教育講座やリカレント教育プログラムを展開し、オンライン授業活用や夜間・週末コース設定など柔軟な学習環境を整備します。新潟大学の「環日本海」という地理的優位性を最大限活かし、多様性が強みとなる大学を実現します。
国籍や背景を問わず全ての学生が安心して学べる環境づくりは、大学の活力と国際競争力を支える基盤です。留学生には来日前から住居情報を提供し、入居支援と生活相談を統合した窓口を設置します。さらに日本人学生や在学中の留学生との交流を促し、相互に支え合えるコミュニティを形成します。
日本語教育はレベル別・目的別に体系化し、日常会話からアカデミックな日本語まで段階的に習得できる体制を整備します。キャリア支援では、日本企業や自治体と連携したインターンシップや就職フェアを継続的に実施し、ビジネス日本語やマナー教育を整備して、日本社会への自立的参画と定着を促進します。加えて共修科目を拡充し、多様な学生が共に学ぶ学際的かつ国際的な教育環境を構築します。社会人学生や日本人学生に対しても柔軟な履修制度やオンライン学習を拡充します。
また、メンタルヘルスケアでは多言語・多文化に対応可能な職員を配置し、来日前から相談できる体制を整えます。単なる在籍者数の拡大ではなく、学生支援と国際化を一体的に進めることで、多様な学生が互いに学び合える環境を築き、世界と地域をつなぐ人材を育成します。
執行部と構成員間の情報共有・意見交換不足は持続的発展の妨げとなる重要課題です。学長のリーダーシップとは、トップダウンではなく、構成員の多様な意見を引き出し、丁寧な対話を通じて合意形成を促進し、その決定に責任をとることと考えます。
職種や分野の垣根を越えた「共創型大学モデル」を構築し、意思決定プロセスの透明化を徹底します。年1回のタウンホール型説明会導入、団体交渉を建設的対話の場と位置付け、定期的な労使協議会設置により継続的意見交換を行います。
学内ポータルでの常設意見箱やオンラインアンケートで多様な意見を集約し、執行部の対応方針を速やかに公開します。DX推進により会議・業務を効率化し、URA等の高度専門職を戦略的に配置することで、一人ひとりが当事者意識を持ち、失敗を恐れず挑戦できる対話と共創の組織文化を構築します。
情報共有と双方向の対話は、大学運営における信頼の基盤です。組織改革には「信頼」と「共に考えるプロセス」が欠かせません。
私は、執行部と教職員の間で定期的な「懇談会」を開催します。重要施策や課題を共有するとともに、現場からの意見や提案を直接伺います。懇談会で寄せられた意見はオンラインシステムで集約し、テーマごとに整理・分析します。結果は、全学懇談会は全学に、部局・学系懇談会は当該組織に、それぞれフィードバックします。
さらに、提出された意見や提案については、執行部が検討結果を明示する仕組みを制度化し、活用状況を可視化します。DXを活用して会議資料や議事概要を迅速に共有し、情報格差をなくします。
これらの取り組みにより、現場の声が着実に大学運営に反映される環境を整え、トップダウンとボトムアップの調和を実現します。この基盤の上に、教職員一人ひとりが大学の未来を共に創る「信頼と協働の文化」を育み、風通しの良い組織風土を築きます。
運営費交付金が15年間で約8%減少し、10兆円大学ファンドが一部に集中する状況では、自前の財源確保が喫緊の課題です。新潟大学基金の段階的拡充戦略と、研究成果の知的財産化による「知の好循環モデル」確立が不可欠です。
県内企業・卒業生ネットワークを基盤とした寄付促進、参加型チャレンジグラント方式、企業版ふるさと納税活用など多様な手法で基金を拡充します。部局間予算配分は透明性を確保し、各部局の特性や貢献度に応じた戦略的配分を行います。外部資金獲得困難な基礎研究分野には地域連携や社会貢献を評価軸に加え、公平な支援を確保します。
医歯学総合病院は病院独自の裁量と人事制度確立を支援し、自律的経営基盤強化を図ります。施設・設備は中長期投資計画を策定し、共同研究設備の地域開放による利用料収入など多角的財源確保で、教育研究環境の充実を実現します。
運営費交付金が減少する中、教育研究の質を維持・向上させるためには、まず財源の多元化が不可欠です。外部資金では、寄附による大学基金の拡充、国際助成や民間財団支援の獲得を積極的に推進します。内部資金では、拡充した基金の運用益の活用に加え、産学官連携による共同研究収入、リカレント教育や社会人向けプログラムによる教育収入、知財・特許収益の拡大、施設利用料の活用など、地域社会や産業界との共創を通じて収入基盤を広げます。その際、教員の申請・事務負担が過重にならないよう支援体制を整えます。
部局間の予算配分は評価基準と配分プロセスを明示し、IRによるデータ分析を活用して透明性と納得感を高めます。外部資金への依存は景気や政策動向による変動リスクがあるため、運営費交付金や基金運用益といった安定財源とのバランスを重視します。施設・設備については、全学的な優先順位リストを作成し、老朽化や安全性、教育研究効果を基準に計画的更新を進めます。
こうした取り組みにより、持続可能で変化に対応できる財政基盤を構築し、学生・教職員が安心して挑戦と創造を続けられる大学を実現します。
健全な労使関係は安定的大学運営の基盤であり、教職員の声を運営に反映させることは極めて重要です。学長のリーダーシップとは、トップダウンではなく、構成員の意見を引き出し、対話を通じて合意形成を促進し、その決定に責任をとることと考えます。
団体交渉を単なる要求・回答の場ではなく、大学の持続的発展に向けた建設的対話の場と位置付けます。教職員の労働条件改善や教育研究環境充実に向けた組合の意見を真摯に受け止め、具体的解決策を共に模索します。人事制度、財政、業務改善、福利厚生など重要事項について定期的労使協議会を設置し、継続的意見交換を行います。
意思決定プロセスを明確化し、透明性を持って情報共有します。職種や分野を越えた「共創型大学モデル」を構築し、全構成員が大学運営の当事者として協働できる環境を整備します。
健全な労使関係は大学の安定的運営に不可欠であり、職員組合との対話・協議は相互信頼と課題解決の基盤と位置付けます。団体交渉には誠実かつ透明な姿勢で臨み、合意形成に至らない場合でも互いの立場や論点を明確にし、次の協議に活用します。
労使協議は年数回の定期開催を制度化し、加えて重要施策や制度改定時には臨時協議を行います。情報共有は一方的な通知ではなく、趣旨・背景・影響を説明した資料を事前に提供し、議論の質を高めます。
また、協議で出た提案や懸念については、対応方針や検討結果を必ずフィードバックし、反映状況を可視化します。教職員の声を運営に反映させることで、組織全体の納得感と一体感を醸成します。労使はしばしば立場を異にしますが、大学の発展という共通の目的の下で、互いを対立する存在ではなく協働するパートナーと捉え、建設的で前向きな議論を重ねていきます。そうした協働の積み重ねが、全員が責任と誇りを持ち、安心して改革を共に進められる文化を育てると考えています。
新潟大学職員組合 中央執行委員会
※本資料は組合員および大学構成員への情報提供を目的として作成されました
新潟大学職員・在学生の皆様へ
博士課程学生支援制度の国籍差別的見直しに対する要望署名のお願い
文部科学省が進める「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」の見直し方針について、職員組合として強い懸念を表明いたします。
生活費支援を日本人学生に限定するこの方針は、明白な国籍差別であり、地方国立大学である本学の教育研究環境に深刻な影響をもたらします。18歳人口減少の中、優秀な留学生は本学の博士課程維持に不可欠な存在です。今回の政策転換により、博士課程の定員充足がさらに困難となり、研究科の縮小や閉鎖の危険性も懸念されます。
学問に国境はありません。優秀な研究者を国籍で選別することは、本学が築いてきた国際的な教育研究環境を破壊し、地域の知的拠点としての役割を根本から脅かすものです。
つきましては、下記の要望について学長名で国立大学協会等を通じた政府への働きかけを求める署名にご協力をお願いいたします
博士課程学生支援制度の国籍差別的見直しに対する要望署名
新潟大学学長 牛木辰男殿
新潟大学長におかれましては、国立大学協会等を通じて政府に対し、博士課程学生支援制度における国籍による差別的取扱いの撤回と、国籍を問わない公正な支援制度の維持を強く働きかけていただくよう要望いたします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScG4Ymf1oKFyjE-xGKkDx3R-eRKCGhdGuuOiUWhlbM31mmJCw/viewform?usp=header
博士課程学生支援制度の国籍差別的見直しに断固反対します
新潟大学職員組合中央執行委員会 声明
2025年6月26日
本日の読売新聞の報道によると、文部科学省は博士課程学生に年間最大290万円を支給する「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」について、生活費支援を日本人学生に限定する方向で見直す方針を固めました¹。昨年度の受給者10,564人のうち留学生が4,125人で、国籍別では中国が最多の2,904人(受給者全体の約3割)を占めていることを国会で疑問視されたことを受けたものです。見直し案は本日の有識者会議で示され、生活費支援(最大240万円)を留学生から外し、研究費支給は継続するとともに社会人学生を新たに支援対象に加える内容で、2026年度以降の適用が予定されています。
新潟大学職員組合は、この見直し方針について、証拠に基づかない差別的政策として、強く抗議し、断固反対の意思を表明いたします。
見直し方針の問題点
文科省が示した「生活費支援を日本人に限定する」という方針は、国籍を理由とした明白な差別です。学問の世界において、研究の質や将来性は国籍によって左右されるものではありません。優秀な研究者を国籍で区別することは、憲法の平等原則に反し、国際人権規約にも抵触する恐れがあります。
18歳人口の減少により既に定員充足に苦しむ地方国立大学にとって、優秀な留学生は教育研究活動を維持するための生命線となっています。魅力的な支援策が失われれば、博士課程の定員充足がさらに困難になり、研究科の縮小や閉鎖につながる危険性があります。これは地域の知的拠点としての大学の役割を根本から脅かすものです。
真の問題は留学生の多さではなく、経済的・キャリア的不安から日本人学生が博士課程への進学を断念せざるを得ない国内の構造的危機にあります。博士号取得後の不安定な雇用状況と限られたキャリアパスこそが根本原因であり、留学生支援を制限することは問題の解決にはなりません。
今回の見直しは、SPRINGプログラムが留学生獲得に与える影響について何ら客観的調査を行うことなく進められています。これは証拠に基づく政策立案(EBPM)の原則から完全に逸脱した、政治的圧力に屈した安易な方針転換であり、政策決定機関としての信頼性を著しく損なうものです。
今回の見直しでは、日本で生まれ育ち、日本社会で教育を受けてきた在日外国人学生も支援対象から排除されます。彼らは日本語を母語とし、日本の文化や社会に深く根ざして生活しているにもかかわらず、国籍のみを理由として差別的扱いを受けることになります。これは明らかに不当な措置です。
世界の主要な研究大学が、国籍を問わず優秀な人材を集め、多様な知が交錯する環境こそが新たな発見とイノベーションの源泉であると認識しているのは、もはや常識です。欧米の主要な研究型大学でも、優秀な博士課程学生が経済的負担なく研究に専念できるよう、国籍を問わず支援するのが一般的です。今回の見直しによる留学生の実質的排除は、日本の研究エコシステムから多様性を奪い、その活力を長期的に蝕むものです。それは国際共同研究の機会を減少させ、日本の学術界を世界から孤立させ、科学技術立国としての基盤を根底から破壊しかねません。
結び
学問に国境はありません。優秀な研究者を国籍で選別することは、日本の学術界の将来を自ら閉ざす愚策です。
地方国立大学である新潟大学は、地域の知的拠点として多様な人材が集う国際的な教育研究環境の維持に努めてきました。今回の政策転換は、そうした努力を水泡に帰す危険性があります。
新潟大学職員組合は、新潟大学職員、そして全国の大学関係者、研究者、市民の皆様と連帯し、この差別的政策の撤回を強く求めます。真の解決策は、博士課程の魅力向上と国籍を問わず学生が安心して研究に専念できる環境整備にあります。政府には、短期的な政治的配慮ではなく、日本の研究力向上という長期的視野に立った賢明な判断を求めます。
新潟大学職員組合中央執行委員会
2025年6月26日
参考
¹ 読売新聞「博士課程支援、生活費を日本人限定に…留学生の3割が中国出身で見直し」 2025年6月26日
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20250626-OYT1T50034/
以下のページより、学長宛署名を受けつけています。
博士課程学生支援制度の国籍差別的見直しに対する要望署名
新潟大学学長 牛木辰男殿
新潟大学長におかれましては、国立大学協会等を通じて政府に対し、博士課程学生支援制度における国籍による差別的取扱いの撤回と、国籍を問わない公正な支援制度の維持を強く働きかけていただくよう要望いたします。
組合HP(「博士課程学生支援制度の国籍差別的見直しに対する要望署名への呼びかけ」):https://niigata-u-union.sakura.ne.jp/union/?p=1903&preview=true
組合員各位
内閣委員会強行採決の懸念が強まっています。以下の文書を組合中央執行委員長名でFaxにて野党第一党・立憲民主党議員幹部に緊急送付しました。
【立憲民主党】
◆斎藤嘉隆 参議院国対委員長 FAX 03-6551-0707
◆石橋通宏 参議院議運筆頭理事 FAX 03-6551-0523
◆徳永えり 参議院政審会長 FAX 03-6551-0701
[執行部]
◆野田佳彦 代表 FAX 03-3508-3441
◆小川淳也 幹事長 FAX 03-3508-3251
◆重徳和彦 政調会長 FAX 03-3508-3285
◆笠浩史 国対委員長 FAX 03-3508-7120
====
立憲民主党
○○○○ 先生
(並びに関係議員各位)
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。国政の運営に日々ご尽力いただいておりますことに、深く敬意を表します。
本日、私たち新潟大学職員組合がこの要請文を提出いたしますのは、現在、内閣委員会で審議されている日本学術会議法改正案に対し、日々、教育と研究の現場に立つ者として、看過し得ない強い危機感を共有しているからに他なりません。
この法案は、政府が学術会議の人事に介入する道を大きく開くものであり、それは「学問の自由」と「科学の自律性」という、近代国家が築き上げてきた普遍的価値を根底から覆すものです。歴史は、知の発展が常に権力からの独立性を保つことによって成し遂げられてきたことを示しています。数多くの学者や知識人たちは、権威からの絶え間ない圧力と闘いながら、真理の光を社会に広め、近代民主主義の礎を築きました。権力から独立した知の共同体の重要性は、揺るぎない歴史的教訓です。
今回の法改正の動きは、この歴史的教訓に完全に逆行するものであり、日本の知的基盤を自ら脆弱にし、国際的な信頼を著しく損なうものです。私たち大学に身を置く者として、学問が時の権力の意向を忖度するような未来を断じて容認することはできません。それは真理の探究を歪め、長期的には国益を大きく損なう結果を招くことが明らかだからです。
つきましては、貴党に対し、以下の二点を強く要請いたします。
来る6月10日に想定される内閣委員会での法案採決に、断固として応じないでください。 短絡的な政治的判断が、我が国の学術と社会に回復不可能な傷を残すことのないよう、良識の砦としての役割を全力で果たしていただきたく存じます。
万が一、与党が数の力をもって採決を強行するような事態に至った場合、それは議会制民主主義の精神を踏みにじる暴挙です。その際には、断固たる姿勢で抵抗するため、和田正宗内閣委員長の解任決議案、および、学術への理解を欠く言動を繰り返す坂井学担当大臣の不信任決議案を提出し、あらゆる手段を尽くしてその非を明らかにしていただくことを強く求めます。
私たち大学職員も、そして多くの国民も、この重大な局面を座して見過ごすつもりはありません。国会前での「人間の鎖」をはじめとする市民の行動は、この問題に対する強い懸念の表れです。どうか、議会の内外で高まる理性の声に耳を傾け、歴史の審判に耐えうる、賢明かつ勇敢なご判断を心よりお願い申し上げます。
日本の民主主義と未来の知性を守るため、貴党の力強いリーダーシップが発揮されることを切に願っております。
敬具
新潟大学職員組合
執行委員長 逸見龍生
緊急声明 新潟大学職員組合中央執行委員会
1.学問の自由と研究独立性への根本的脅威
政府の学術会議法人化方針は、「独立性を徹底的に担保する」という名目で進められていますが、実際の制度設計は学問の自由に対する重大な挑戦にほかなりません。
外部委員が過半数を占める「運営助言委員会」の設置により、学術会議の自律的運営が著しく損なわれることになります。さらに、主務大臣任命の「日本学術会議評価委員会」設置は、政府による新たな統制機構となる危険性を孕んでいます。また、外部有識者による「選考助言委員会」が選考方針策定に意見することで、これまでの学者による純粋な互選制度が歪められてしまいます。
2.研究者共同体の解体と従属化の進行
法人化は、研究者の自律的共同体としての学術会議の本質を根本から変質させることになります。独立した研究機関から政府や経済界の意向を強く反映する組織へと変貌し、政策提言における独立性や政府に対する批判的機能が弱体化してしまいます。
特に深刻なのは、外部資金依存にり、基礎研究や真理探究よりも短期的成果や実用性が重視される傾向が強まることです。これは学術研究の本来の使命を根底から揺るがすものといえます。
3.国立大学法人化との連動した学術統制の拡大
学術会議法人化は、2023年12月に成立した国立大学法人法改正と軌を一にした学術研究機関全体への管理強化の一環として位置づけられます。外部委員による運営への介入、評価制度を通じた統制、財政的自立の要求による間接的コントロールという共通の統制メカニズムが、日本の学術界全体を覆い始めています。
4.教育機会の不平等と地域格差の深刻化
この流れは、国立大学の授業料値上げ問題とも密接に連動しており、高等教育における機会均等の理念を大きく損なっています。首都圏を中心とした授業料値上げにより地域間教育格差が拡大し、経済的理由による進学断念や中退者の増加が懸念されます。これは将来の研究人材の再生産にも深刻な悪影響を与えることになります。
5.民主的プロセスの欠如と強引な政策推進
法人化方針の策定過程は、十分な合意形成を欠いた極めて非民主的なものでした。2020年の会員任命拒否問題を契機として論点をすり替える形で議論が提起され、学術会議と社会からの強い反発を無視して強行されました。有識者懇談会での議論においても、学術会議の意見との隔たりが埋まらないまま方針決定に至っています。
6.国際的信頼の失墜と学術交流への深刻な支障
このような状況が続けば、日本の学術界の独立性に対する国際的な信頼が失墜し、国際的な学術協力や研究交流に深刻な支障をきたすことが予想されます。これは日本の学術研究の孤立化を招き、長期的な競争力低下につながる恐れがあります。
7.アカデミーの存立基盤そのものへの脅威
学術会議法人化方針は、単なる組織改革にとどまらず、日本のアカデミー全体の存立基盤を脅かす重大な問題となっています。真理の探究、学問の自由、研究の独立性という学術活動の根幹が、政治的・経済的利害に従属させられる危険性が極めて高くなっています。
このような状況では、研究者の自由な発想に基づく創造的研究が阻害され、長期的には日本の学術研究水準の低下と国際競争力の喪失を招くことが強く懸念されます。
学術界全体がこの問題を深刻に受け止めており、民主的な議論と透明なプロセスによる解決を強く求めています。2025年6月6日現在、全国で多方面にわたる抵抗活動が展開されていることからも、この問題の深刻さと緊急性が窺えます。
私たちは、全国の抵抗活動に連帯し、日本の学術研究の根幹を揺るがす政府の学術会議法人化方針に反対します。
新潟大学職員組合中央執行委員会
2025年6月3日18:15より、職員組合室にて第31回中央執行委員会を開催しました(Zoom併用)。
主な議事は以下の通りです。臨時大会関連では、分会代表者会議で出された各分会の意見、アドバイスについて情報共有も行いました。
1.審議事項
(1)前回継続審議事項の進捗確認
(2)臨時大会関連事項
(3)団体交渉フォローアップ
(4)組合広報戦略
(5)その他
2.報告事項
(1)全大教との連絡調整状況
(2)その他連絡事項
3.次回予定
学術会議法人化法案はなにが問題か――大学教員と市民と学び合う機会を
人法経分会 原直史(人文学部教員)
学術会議法人化法案が、今国会で審議されています。現行の学術会議は、戦前戦中に学術界が戦争に協力してきたことの反省の上に立ち、あたらしい国の組織として、「日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、ここに設立される」(現行学術会議法前文)との崇高な理念の元に設立された日本のナショナルアカデミーです。国の組織であることにより、むしろ不偏不党であることつが担保され、これまでに数多くの提言、勧告等を国や国民に向けて行ってきました。
一方政府与党はこうした学術会議のあり方に次第に干渉を強めるようになり、ご承知のように2020年には、推薦された会員候補のうち6名の任命を当時の菅首相が拒否するという事態に至りました。拒否された6名はそれまで安倍政権が進めた安保法制などに批判的であった研究者であり、政府に都合の悪い研究者の排除を狙ったことは容易に推測できましたが、政府は一貫してその理由の説明を避けてきました。
そしてこともあろうに現行の学術会議を法人化し、首相が任命する「監事」や研究者ではない外部財界人等の「評価委員会」を通じ、その自立性を縛る法案を提出しています。「法人化」が決して自立ではなく政治への従属への道であることは、国立大学の関係者ならば皆が理解できることでしょう。
私たち新潟大学の有志は、今年初めから遅まきながらもこの問題に取り組み、2月には有志での声明、5月には小規模な勉強会も開催しました。しかしこの問題は、やっと大手一般紙が取り上げ始めたに過ぎず、市民への浸透も不十分と考えます。
そこで私たちは、大学教員と市民とが集まり、学術会議の問題は決して「学者のエゴ」や学者だけの問題ではなく、学問の自由、国民の思想信条の自由に関わる大きな問題であることを、ともに学び、声をあげていきたいと、つぎの会を企画しています。
6/3火曜日 18:00-19:45 駅南キャンパスときめいとにて
「学術は市民のもの 新大教員と市民との学習討論会」
京大教育学部教授駒込武先生がオンラインでお話ししてくださいます。
『「私物化」される国公立大学 』(2021岩波書店)の著者です。
詳細は添付チラシをご覧下さい。Zoom配信をいたします。
6/5木曜日緊急市民集会
18:15-45 弁天公園 のちパレード
市民団体のみなさんと共同で集会を行います。
詳細は添付チラシをご覧下さい。
周りの皆様にも是非広げてください。よろしくお願い申し上げます。
(本掲載についてのお問い合わせは、組合書記局まで)
2025年5月27日18:15より、職員組合室にて第30回中央執行委員会を開催しました(Zoom併用)。
主な議事は以下の通りです。組合員拡大活動の具体的手法と目標設定などについて審議しました。
1.審議事項
(1)臨時大会第1号議案「組合財政再建に関する現状報告と今後の方針について」の検討
1)議案内容の精査について
2)組合員拡大活動の具体的手法と目標設定
3)臨時大会における説明方法について
(2)労働委員会訴訟対応に係る弁護士費用の計上について
(3)分会代表者会議の議題と次年度役員選挙について
(4)団体交渉後依頼資料の点検について
(5)五十嵐女子寮の問題について2.報告事項
3.次回予定