組合員各位
内閣委員会強行採決の懸念が強まっています。以下の文書を組合中央執行委員長名でFaxにて野党第一党・立憲民主党議員幹部に緊急送付しました。
【立憲民主党】
◆斎藤嘉隆 参議院国対委員長 FAX 03-6551-0707
◆石橋通宏 参議院議運筆頭理事 FAX 03-6551-0523
◆徳永えり 参議院政審会長 FAX 03-6551-0701
[執行部]
◆野田佳彦 代表 FAX 03-3508-3441
◆小川淳也 幹事長 FAX 03-3508-3251
◆重徳和彦 政調会長 FAX 03-3508-3285
◆笠浩史 国対委員長 FAX 03-3508-7120
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立憲民主党
○○○○ 先生
(並びに関係議員各位)
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。国政の運営に日々ご尽力いただいておりますことに、深く敬意を表します。
本日、私たち新潟大学職員組合がこの要請文を提出いたしますのは、現在、内閣委員会で審議されている日本学術会議法改正案に対し、日々、教育と研究の現場に立つ者として、看過し得ない強い危機感を共有しているからに他なりません。
この法案は、政府が学術会議の人事に介入する道を大きく開くものであり、それは「学問の自由」と「科学の自律性」という、近代国家が築き上げてきた普遍的価値を根底から覆すものです。歴史は、知の発展が常に権力からの独立性を保つことによって成し遂げられてきたことを示しています。数多くの学者や知識人たちは、権威からの絶え間ない圧力と闘いながら、真理の光を社会に広め、近代民主主義の礎を築きました。権力から独立した知の共同体の重要性は、揺るぎない歴史的教訓です。
今回の法改正の動きは、この歴史的教訓に完全に逆行するものであり、日本の知的基盤を自ら脆弱にし、国際的な信頼を著しく損なうものです。私たち大学に身を置く者として、学問が時の権力の意向を忖度するような未来を断じて容認することはできません。それは真理の探究を歪め、長期的には国益を大きく損なう結果を招くことが明らかだからです。
つきましては、貴党に対し、以下の二点を強く要請いたします。
来る6月10日に想定される内閣委員会での法案採決に、断固として応じないでください。 短絡的な政治的判断が、我が国の学術と社会に回復不可能な傷を残すことのないよう、良識の砦としての役割を全力で果たしていただきたく存じます。
万が一、与党が数の力をもって採決を強行するような事態に至った場合、それは議会制民主主義の精神を踏みにじる暴挙です。その際には、断固たる姿勢で抵抗するため、和田正宗内閣委員長の解任決議案、および、学術への理解を欠く言動を繰り返す坂井学担当大臣の不信任決議案を提出し、あらゆる手段を尽くしてその非を明らかにしていただくことを強く求めます。
私たち大学職員も、そして多くの国民も、この重大な局面を座して見過ごすつもりはありません。国会前での「人間の鎖」をはじめとする市民の行動は、この問題に対する強い懸念の表れです。どうか、議会の内外で高まる理性の声に耳を傾け、歴史の審判に耐えうる、賢明かつ勇敢なご判断を心よりお願い申し上げます。
日本の民主主義と未来の知性を守るため、貴党の力強いリーダーシップが発揮されることを切に願っております。
敬具
新潟大学職員組合
執行委員長 逸見龍生